インプラント

インプラント

インプラントとは

歯が無くなってしまった欠損部分に歯を支える人工歯根を埋め込み、その上に固定式の歯を作る画期的な治療法「インプラント」は、見た目も健康な歯そのもので、違和感がありません。

インプラントの歴史は?

北欧のスウェーデンのブローネマルク教授が約40年前に開発しました。
1952年にスウェーデン イェテボリ市にある応用生体工学研究所所長のブローネマルク博士により発見
1965年より歯科分野でインプラントの治療がスウェーデンから始まりました。

特に最初に歯を失ってしまったとき、従来のブリッジで処置することで、周りの健康な歯をたくさん削ってしまい、その結果そう遠くない将来歯を失ってしまう。そんな悲しい事態を避ける事ができるのがインプラントなのです。最初の一歩が大切なのです。

インプラントは何故骨とくっつくの?

チタン表面の凸凹に、骨を造る細胞が住み着いて、骨に付着します。
このようにチタンと骨がくっついてしまうことをオッセオインテグレーション(骨性統合)といいます。この現象のためにインプラントは歯の代わりに機能することができるのです。

また、骨は歯があることで噛むストレス(継続的なかむ力)が加わっているとやせない性質があります。逆に歯がない状態のままや入れ歯では、骨への噛む力などによる
刺激が骨に直接伝わらないので、その部分で骨は、どんどんやせてしまうのです。

ところが、歯がなくなっても、インプラントが植立されている顎では、歯と同じようにかむ力が継続的に加わるので、入れ歯のように顎の骨が減らないというデータもあります。

噛む力はどれくらい回復するの?

入れ歯の治療においてもっとも重要な咀嚼力(咬む力)は、自分の歯(天然歯)と入れ歯、インプラントを比較した臨床研究によると、天然歯を100%とした場合、入れ歯はわずか10%の力でしかかめませんが、インプラントでは自分の歯とほぼ同じくらいの力が回復します。

人間の噛む力は、日常生活の中で最大で体重の1.5倍の力が、歯それぞれに負担がかかります。
60kgの体重の人であれば、約90kgの噛む力がかかります。

入れ歯では、たった10%の力でしか、噛む力を支えられないので、他の90%の噛む力は、残っている歯に負担がかかります。
従って、負担がかかりすぎて、歯が折れたり、歯槽膿漏でダメになったりしやすいのです。

その点、インプラントは、自分の歯とほぼ同じくらいの噛む力を回復するので、他の歯の負担を軽減します。これが、インプラントの最大の特徴です。他の歯を守ることができるのです。
自分の歯を失いたくありませんよね?インプラントは、噛む力が他の歯に過度にかからないように、頑張って耐えてもらえるのです。

もちろん、歯科的に言えば食べ物をおいしく食べられる、ということにもなります。
この点でいえばインプラントは入れ歯を遙かにしのぐのです。
患者様でも入れ歯からインプラントへ変わった方がいらっしゃいますが、みなさんインプラントにして良かった、と言って頂いております。
 

インプラントイメージ

インプラントと他の治療方法との比較

現在 注目されるインプラント治療は、これまでの治療、入れ歯やブリッジに比べると、患者さんにとっても大きなメリットがあります。

インプラントと他の治療比較

健康な歯を削る

インプラント

なし

入れ歯

なし

ブリッジ

両隣の歯を削る

噛む力

インプラント

優れる

入れ歯

弱い

ブリッジ

良い

歯ブラシのかけ易さ

インプラント

かけ易い

入れ歯

難しい

ブリッジ

難しい

口の中の衛生

インプラント

優れる(手入れ要)

入れ歯

不衛生になりやすい

ブリッジ

不衛生になりやすい

歯槽膿漏へのリスク

インプラント

低い

入れ歯

高い

ブリッジ

高い

耐久性

インプラント

優れる(手入れ要)

入れ歯

歯ぐきが増えたり減ったりして、合わなくなる事が多い

ブリッジ

両隣の歯に負担

審美性(見映え)

インプラント

優れる

入れ歯

良くない

ブリッジ

良い

違和感

インプラント

なし

入れ歯

有り

ブリッジ

少ない

顎骨がやせる

インプラント

なし

入れ歯

やせる

ブリッジ

やせる事がある

手術

インプラント

有り (抜歯程度)

入れ歯

なし

ブリッジ

なし

診療形態

インプラント

自由診療となります

入れ歯

保険診療
※見映えの良いものは、自由診療となります

ブリッジ

保険診療
※見映えの良いものは、自由診療となります

治療期間

インプラント

3~6ヶ月くらい

入れ歯

1ヵ月くらい

ブリッジ

2-3週間

インプラント治療の流れ

第一段階

インプラントイメージ

欠損した歯を補う為に、チタン製のボルトを埋め込みます。
骨にドリルで穴を開けインプラントを埋め込みます。
このインプラント本体(フィクスチャー)を埋め込む手術を1次手術と呼びます。
仮の歯を作り3~6ヶ月インプラント(フィクスチャー)が骨と強固に結合するまで待ちます。

第二段階

骨との結合(オッセオインテグレーション)が得られれば2次手術となり、歯を取り付ける為の土台(アパットメント)をネジとめします。

最終段階

インプラントイメージ2

歯を取り付ける為の土台(アパットメント)をネジとめします。
最終的な歯を装着しインプラント治療は完了となります。違和感もなく美しい歯が戻ります。

インプラント治療のメリット、デメリット

メリット

  • 違和感が無い
  • よく噛める
  • 味覚がかわらない
  • 話やすい
  • 耐久性がある

デメリット

  • 最低限のリスクを伴う
  • メンテナンスが必要
  • 体質・疾病により治療できないことがある
  • 期間がかかる
インプラントイメージ3

当院使用のインプラントメーカー

ストローマン カルシテック ブロ-ネマルク

当クリニックでは、インプラントの一本一本のシリアルナンバー(製造番号)の控えをきちんとカルテに取ってあるので、いつどこで作られてどのルートで患者さんに到達したかを明確に出来るようにしています。

安心したインプラント治療が受けられます。

インプラントイメージ

インプラントQ&A

インプラントとはどのようなものですか?

人工歯根のことで、虫歯や歯周病により残念ながら抜歯になった場合、あとの歯ぐきの中に(顎の骨の中に)簡単な手術により、チタン製の人口の歯を埋め込んだものです。治療終了後は自分の歯のように使えます。


アゴの骨に金属を埋め込んでも人体に害はないですか?

インプラントは純チタンでできています。チタンは生体への親和性(細胞に好まれる)や優れた耐蝕性、耐摩耗性があり、金属イオンとして溶出することも少なく、アレルギーを起こしにくい材料です。


インプラントはどの位長持ちするのでしょうか?

インプラントの寿命はかみ合わせやお手入れの状況により変わります。お手入れが悪ければインプラントも歯周病に罹りますし、その場合人工物ですので病状の進行はご自分の歯より早くなります。しかし、メンテナンスが行き届いていればご自分の歯と同じぐらい長く使えると思われます。(全身状態、喫煙状況、清掃状態によりかなり変わりますので歯科医院にご相談下さい)


治療の年齢制限はあるの?

全身状態が問題なく健康であれば、基本的に年齢制限はありません。ただし18歳以下の若年者については、顎の骨の成長が止まってから(成人してから)が良いでしょう。


治療の期間はどのくらいですか?

治療の期間は、インプラントをする部位の顎の骨の状態にもよりますが、基本的には1.5ヶ月から半年ぐらいでしょう。ただし、骨が吸収してない場合は年単位でかかることもあります。


手術の後で腫れや痛みはないの?

一般的に顎の骨が十分ある部位にインプラントの手術を行う場合、腫れや痛みはほとんどありません。ただし、顎の骨が少なかったり、歯ぐきの形態を変えたりする場合は多少の腫れや痛みがあります。


入院の必要は無いのでしょうか?

インプラントの手術は基本的に外来にて行いますので、入院の必要はありません。


インプラント治療が出来ない場合とは?

若年者(成長過程にある方)、免疫不全や1型の糖尿病の方、ホルモン療法や放射線治療を受けている方などは、インプラント治療はできません。また、重度の歯周病の方や顎の骨が少ない方、喫煙者、骨粗鬆症の方、2型の糖尿病の方などは、生活習慣の改善や医科の治療により症状がコントロールされていれば、インプラント治療が可能になります。